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金の価格ってどう決まる?-金の市場相場
金は世界共通の価値があり「有事の際の安全資産」と呼ばれています。
そんな金は世界の様々な市場で取引されており、値段となる相場は為替と同じく休むことなく常に価値が変わる特徴を持ちます。
この金の相場は国際日付変更線に近い国を基準とするとシドニーや東京、香港やシンガポール、スイスのチューリッヒやパリ、ロンドンやニューヨークなどの世界の主な取引市場で、時差に沿って各市場に受け継がれます。
一般社団法人日本金地金流通協会 https://www.jgma.or.jp/
なかでも大きく次の2つの市場取引が重要な指標とされております。
1.イギリスロンドンの金現物取引
ロンドン金市場は1666年に成立し、古くから世界の金取引の中心地として発展してきた市場であり、協会員である「5大貴金属商」が顧客からの売買を取りまとめ「セリ」を行い妥当な価格を決定したものとなります。
営業日の現地時間10:30と15:00に分けて2回値決めが行われ価格が変わります。
ロンドン午後の値決め価格は「PM Fix」とされており、この基準価格をもとに中央銀行が保有する金評価額が算出されるなど重要な指標とされます。
2.ニューヨークの金先物取引
ロンドン金市場と同様に、世界の金相場に影響を与える重要な市場として知られるのが、ニューヨーク商品取引所(COMEX)でのニューヨーク金先物取引です。
前述のロンドン金市場では金の現物取引が行われているのに対して、ニューヨーク金市場では先物取引(=現時点で将来の売買を約束する形式の取引のこと)が行われています。
ニューヨーク金先物市場で公表される金先物の価格は、世界の金先物取引で指標として用いられています。
これらの2つの取引が金の価格を決定する重要な指標となっていることを説明いたしました。
次に具体的にどのように価格が表されるかについて述べます。
「米ドル建て金価格」と「金の重量単位oz(オンス)」
ニュースなどで「ロンドン金が2000ドルを突破」や「NY金が2000ドルを突破」などと度々報道されております。
ニューヨークはアメリカだからわかるけどロンドンもなんでドルなの?と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
国際金価格と言う時、それは「米ドル建て金価格」のことを指しています。
なぜ米ドル建てなのかと言えば、米国が世界最大の経済大国であるとともに、米ドルが世界の基軸通貨としての地位にあるからに他なりません。
日本では金1グラムに対しての価格表記が一般ですが、前述した2000ドルという価格は1oz
(1トロイオンス)あたりの金額となります。
このオンスですが、インターネットで「1オンス 重さ」などで検索すると1オンス=28g(28.3495g)とでてきますが、これは常用オンスといい金の国際取引単位「トロイオンス(金衝オンス)」とは別の重量となります。
少しややこしいかと思いますが、金や宝石の重量の取引単位は1oz(トロイオンス)=31.1g(31.1035g)となります。
「円建て金価格」と「為替」
国際取引の価格に「ドル建て価格」が使用されるのに対し、国内金小売価格は「円建て価格」が使用されます。
これはドル建て価格を円換算したもので基本として次のように計算されます。
【ドル建て価格×為替レート(米ドル/円)÷31.1035】他にも運賃や保険料や手数料が含まれます。
・ドル建て金価格が2000ドル、為替レートが1ドル=150円だった場合
「2000ドル×150円÷31.035グラム=約9,666円」 となります。
仮にドル建て価格が2000ドルを維持していた場合、その時の為替レートが1ドル100円の場合と1ドル150円の場合では大きく異なります。
このように円建ての金価格は、基本的にドル建て価格に準じているものの、米ドル/円の為替の動きに大きく影響されます。
まとめ
・金の国際価格が決まる市場は大きく分けて二つあり、「ロンドン金現物取引市場」と「ニューヨーク金先物取引市場」がある。
・国際金価格は「ドル建て」で取引される。
・国内金価格はドル建て価格に為替レートをもとに円換算した「円建て価格」で取引される。
今回コラムでは、金相場が決まる過程を中心としてご紹介しました。
最後にも触れましたが、国内価格には為替の影響で価格が上下する要因として挙げました。
次回はそのほかの金価格が上下する要因についてご説明いたします。
円安の影響もあり、金価格が高騰している今は、金製品を高値で売却するチャンスです。
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